あかうさのノート

読書や映画の感想や講座のノートなどをつづります(予定)

発達障害の改善と予防(読書メモ)

脳科学者である澤口先生の著書を読みました。

 

タイトル

発達障害の改善と予防 家庭ですべきこと、してはいけないこと」

著者 澤口俊之

定価 本体¥1,400+税

発行所 株式会社小学館

1章 発達障害の本質と改善
2章 簡易版チェック項目と家庭ですべきこと
3章 澤口式育脳法ー「教育相談」の実際
4章 発達障害を防ぐ重要な12のこと
5章 発達障害を予防し脳を育成する年齢別育て方
6章 「教育相談」を受けた人の話

 

☆感想☆

まず感想を書く前に注意事項です。
この本のタイトルには書かれていませんが、対象となる子どもは8歳未満です。

妊娠前からの予防にも有効な項目がありますので、
この本の内容は、「幼少期のお子さんに関するもの」
「これから妊娠・出産する方々に関するもの」となっていました。

対象となる子どもについては、本文や目次にはもちろん書かれているのですが、
どこかの書評やAmazon等の通販サイトで見ただけではわからず、
「知らずに購入してしまった!」ということになりますので
興味を持っておられてこれから購入を検討される方はご注意ください。

8歳未満限定というのは
8歳未満の脳は「未熟」で、脳の色々な機能が「未分化」のためです。
幼児の脳は成人の脳のミニチュアではなく、独特な脳になっているのです。

つまり完成されていないからそこを鍛えれば改善されるというわけです。

粘土細工と一緒ですね。
形が歪んでしまっても、柔らかい粘土ならば簡単に修正できますが、
乾いてしまってカチコチに固まった粘土はもう手遅れとなってしまっているのです。

そして改善するといっても、家庭でできるな取り組みでできるところが
素晴らしいと思いました。
本当に挨拶といった「生活習慣をきちんとする」というレベルです。

 

 

参考にしたいことをメモしておきます。

 

☆引用☆抜粋

食事(改善に効果がある栄養)
トリプトファンとB6(どちらかを単独ではなく組み合わせて摂取することが重要)・・・魚類
アラキドン酸・・・レバー類、卵、鶏肉、豚肉
ビタミンD・・・魚類、日光浴(手にひらに太陽の日差しを15分間当てる)

 

日常生活
・食事は魚主体。パンより白米。
・伝統的な和食がベスト。
 まごわやさしい
 ま⇒豆類 ご⇒ゴマ類 わ⇒ワカメなどの海藻類 
 や⇒野菜 さ⇒魚などの魚介類 し⇒シイタケなどのキノコ類 い⇒イモ類
 箸をつかうのもとても良い(補助箸は使わないこと)
・習い事をする場合はピアノがベスト。ソロバンも良い。
・スポーツはサッカー(類似のフットサル、バスケット)
・勉学などを褒める場合は「過程」を褒める
・「能力」を褒めるのは一番良くない。

 ×「頭がいい」

 ×「才能がある」

 ×「勉強ができる」
・褒めすぎるとかえってマイナス

 (かえって努力をしなくなる、結果を重視しなくなる)


良くないもの
テレビゲームやデジタル機器 (幼児番組や知育系もNG)
英語の早期教育
非科学的な幼児教育
フラッシュカード

 


☆感想☆

英語の早期教育は脳に悪影響とのことが記述されていてドキッとしました。

うちでは2歳0カ月からベネッセの「ワールドワイドキッズ」を受講させていて、
同じく2歳8カ月からインターナショナルのプレスクールに通わせていました。

読み進めるとバイリンガル環境での幼児バイリンガル教育は有益とのことで

胸をなでおろしました。

問題となるのは毎日1時間とか週に2時間とかといった英語教育のことです。

 

環境といえば

余談ですが、日常で聞こえてくる会話って外国語の比率がすごく多くなっています。
それは英語に限らず、中国語、ポルトガル語、ロシア語・・・といった感じです。
それはうちがインターナショナルの幼稚園に通わせているからというだけではなく、
習い事のクラスにも外国語を話す家庭の子とか多いです(1/10くらいかな)。
地域にもよると思いますが、この先、日本語だけの環境にする方がむしろ難しいと思っています。

 

☆引用☆
良いもの 5歳から
あっち向いてホイ
集団遊び・・・明確なルールが入っているもの 
好奇心に基づく遊び・・・虫取り、動物園、博物館、デパート、ホームセンター
TVのバラエティ番組(ただし2時間未満)


良いもの 6歳から(5歳のものと同様だがそれに加えて)
創造的な遊び・・絵を描く、オブジェを作る、砂場遊び
いたずら

(他者の心身に危害を加えるようなものは論外、不適切ないたずらには罰を与える)


良いもの 7歳から(6歳までのものに加えて)
普通学級で過ごすこと
テレビゲーム(ゴーカートゲームやSATのようなゲーム)

 

☆感想☆
うちの子は発達障害の診断を受けた訳ではないのですが、
この本を読んでみたいと思ったキッカケとして
男の子特有の「元気さ」「好奇心の強さ」を私自身がなかなか理解できないという事実があったからです。

発達障害者向けの指導方法はどんな子に対しても効果がかなりあるというのを何かで知っていたので改善の方法を試してみたいと思いこの本を手にしました。


好奇心の強さは悪く言えば「集中力がない」

先生が全体に指示を出してる場面でも
クラスの誰かの発言や初めて見る教材があるとそっちに注目してしまって

先生の話しを聞かないとか、

歩いていて何か落ちてると立ち止まって触ろうとするとか、

とにかく「今やらなければいけないこと」をあっという間に忘れちゃうんです。

気がそれてもすぐ戻ってくれれば問題ないのですがね。


元気さも悪く言えば「落ち着きがない」

嬉しすぎると叫んだり、

楽しいと走り回ったり、

・・・これらは親としては見ていて微笑ましいし、

喜びを表現できるって素晴らしいと思うのですが
子ども嫌いの他人から見れば(騒がしいな)となってしまうと思います。

 

正直、自分は周りの目を気にするダメ親なのかもしれませんが

社会性を身につけさせたりしつけをしたりは必要ですので、

そのあたりのバランスに苦労しています。

 

あともう一つ、

読み聞かせをかなりしているのに「ひらがな」の習得が遅いということ。
とくに読むことが苦手なのが理解できなくて悩んでいました。


自分自身は5歳ではひらがな、カタカナは苦労なく読み書きできていたので、

息子は学習障害なのではないかと考えたこともありました。

ただ、ここ最近急激にひらがなに対して興味がでてきたのか読めるようになってきて少し安心しているところです。

 

最近は発達障害についてのTV番組も多く、情報もたくさん入ってくるので

ついつい(自分の子は大丈夫?)とか思ってしまうのですが、

この本を読んで、(今の段階ではチェック項目に当てはまらないし、

後天的になっても改善できるし!)と思えたのはとても良かったです。

 

幼児教育を試しているうちに発達障害にさせてしまうこともあるということを忘れないようにしたいと思いました。

 

満足度・おすすめ度 ★★★★☆

(対象者が限られるので☆-1です)